研究課題/領域番号 |
25462294
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
酒井 紀典 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 特任准教授 (80403731)
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研究分担者 |
高田 洋一郎 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 特任講師 (20420549)
加藤 真介 徳島大学, 大学病院, 教授 (30243687)
西庄 俊彦 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 講師 (40444723)
東野 恒作 徳島大学, 大学病院, 特任准教授 (80380129)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 腰椎分離症 / 疲労骨折 / 血管 / 関節突起間部 / 潜在性二分脊椎 |
研究実績の概要 |
腰椎分離症(分離症)は疲労骨折の一つと考えられているが,その発生機序については謎が多い。本研究では,①最尾側腰椎である第5腰椎(以下L5)周辺は分離症や,変性疾患(椎間板,椎間関節)の好発部位でもあり,L5が解剖学的に他の椎体と異なる点として,周辺血管,特に腰椎後方要素の血管分布に注目し,これを詳細に評価した。続いて,②分離症と腰仙椎移行部のこれらの血管分布の違いからみた関連性について検討した。 研究①に関しては,323名(男性203名,女性120名),平均年齢66.5歳(15~89歳)を対象とした結果,L5椎弓への血管分布のcombinationは主に4つのパターンに分かれ,教科書的な第4腰動脈と腸腰動脈の組み合わせは約半数(52%)しかみられなかった。 研究②に関しては,上記対象群のうちL5分離症を認めた14例を対象とした結果,(1) L5分離症例14例において,第5腰動脈は全症例で後方要素まで観察できなかった。(2) L5後方要素への血管分布は第4腰動脈+腸腰動脈(右7例,左6例),第4腰動脈からの分布のみ(右3例,左7例),その他(右4例)であった。(3) 左側のL5分離症例で第4腰動脈のみしか後方要素への分布がみられなかったpatternが,他と比較し有意に(p = 0.018, χ二乗検定)多かった。 上記の結果から,やはり発育期における骨形成と何らかの関わりがあると考え,低年齢(小学生以下)発症の分離症症例のみを対象とした解析を追加した結果,低年齢発症の分離症は有意に男児に多く,潜在性二分脊椎の合併が多くみられた(90%以上)ことを報告した。
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