研究課題/領域番号 |
25462305
|
研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
山田 宏 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (70275361)
|
研究分担者 |
寺口 真年 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (00554544)
籠谷 良平 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (00597081)
浅井 宣樹 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (00621822)
吉村 典子 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (60240355)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 腰部脊柱管狭窄症 / 脊椎 / 疫学 / 核磁気共鳴画像法 / 地域住民コホート / 危険因子 / 予後 / 自然経過 |
研究概要 |
研究の具体的内容:the Wakayama Spine Studyは、脊椎脊髄疾患の研究に主眼を置いた、車両搭載型MRIを用いた地域住民コホート研究である。和歌山県T町(漁村部)は2010年に、H町(山村部)は2012年に第一次調査を実施した。本コホート研究によって、一般地域住民における腰部脊柱管狭窄症の潜在的な患者数は膨大な数でありながら、有病者は約1割程度に過ぎないという疫学的実態を解明できた。この横断的研究結果をさらに発展させる意味で、当該年度は和歌山県T町において第2次追跡調査としての腰椎検診を実施した。検診期間は、10月3日~12月6日で、件数日数は54日、参加人数857人を得た。検診内容は整形外科専門医による脊椎診察と全脊柱MRI撮像である。また、生活習慣やADL、QOLについても調査を行った。 本研究の意義:2010年の検診開始時の有病者における症状の推移や予後、ADLおよびQOLに関する疫学的データを定量的に解析し、それに与える因子、すなわち、年齢、性、罹病期間、臨床症状、画像上の狭窄の程度などを詳細に検討することで、個々の参加者の予後予測が可能となる。また、新規発生例の発症要因を未発生例と統計学的に比較検討することにより危険因子を抽出することができる。 本研究の重要性:本コホート研究を長期に継続することによって、世界で初めて腰部脊柱管狭窄症の自然経過が明らかとなる。また、予後や危険因子を解明することで腰部脊柱管狭窄症の新たな治療指針を策定することができる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、初年度に実施したT町の疫学的データ解析を行い、得られた結果をもとに、逐次学会発表と論文投稿を実行する。 最終年度に予定しているH町の第2次追跡調査は、既に住民の同意と地域自治体の協力が得られているため、準備は問題なく整っている。 本調査の実施により、LSSの3年間の発生率、予後、それに影響する要因を明らかにすることが可能と考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
LSSの自然経過を十分に理解し、それに与える因子、すなわち、年齢、性、罹病期間、臨床症状、画像上の狭窄の程度などを詳細に検討することで、個々の参加者のLSSの発生、あるいは、すでに発生しているものについては予後予測が可能となる。本研究により明らかになったLSSの危険因子を地域保健福祉の現場に還元することにより、地域住民の要介護予防にわずかでも貢献することを目標としている。
|
次年度の研究費の使用計画 |
予定より安価に消耗品が購入できたため 消耗品に使用予定
|