椎間板変性と腰痛の関係を直接明確にした基礎研究はなく、慢性腰痛に対する有効な治療法も確立されていない。ラット腰椎椎間関節切除ラットの歩行解析の結果、腰部や椎間板に直接損傷を加えたモデルと同様の歩行異常が出現した。また馬尾、神経根の圧迫はみられず、椎間板変性と椎間不安定性が出現した。この慢性腰痛モデルに各種薬物の経口投与、椎間板内注入をおこなったが、プレガバリン経口投与のみが歩行異常を改善した。薬物投与による椎間板の組織学的変化の改善はみられず、椎間関節切除レベルの脊椎固定にても歩行異常の改善は得られなかった。椎間板変性による腰痛発現には椎間板変性に伴う神経障害性疼痛の関連が考えられる。
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