プラスミノーゲンKOマウスは脊髄損傷後3日から7日の急性期に有意に良好な機能回復を示したが、その後は野生型との差が縮まり、有意差がなくなった。プラスミノーゲンの阻害剤であるトラネキサム酸(TXA)を損傷直後1回静注(グループ1)、損傷直後1回静注+3日間飲料水で経口投与(グループ2)、損傷直後1回静注+28日間経口投与(グループ3)の3種の方法で投与し、損傷直後生食1回静注の対照群と比較した。その結果、グループ2だけが対照群に比較して有意に良好な機能回復を示した。本研究の結果から、脊髄損傷後の急性期にTXAを投与することが脊髄損傷の新しい治療法となる可能性が示唆された。
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