研究実績の概要 |
脊髄損傷後のアミロライド投与によって、生存したオリゴデンドロサイト前駆細胞(OPC)の分化と再髄鞘形成の検討。方法:Sprague-Dawley(SD)ラット雌を使用し、脊髄圧挫損傷モデルを作成した。損傷24時間後よりアミロライド(10mg/kg)を腹腔内投与した。損傷後7、14、28、56日をtime pointとし、以下の実験を行った。①損傷脊髄凍結切片を作成し、BrdUおよびOPC、NG2、APCを用いた二重免疫染色を行い、OPCの成熟オリゴデンドロサイトへの分化を免疫組織科学的に評価した。②髄鞘のマーカーであるmyelin basic protein(MBP)を用いてwestern blotにて2群間で比較検討した。③トルイジンブルー染色を用いて髄鞘を可視化し、髄鞘/軸索直径比を2群間で比較検討した。結果:①Ami投与群でNG2は損傷後14日でAPCは損傷後56日で有意に増加を認めた。②損傷後28、56日においてAmi群でMBPは有意に高値であった。③損傷後28日において髄鞘/軸索直径比はAmi群で有意に高値であった。アミロライドによる髄鞘の残存や再髄鞘形成への効果が示唆された。 損傷脊髄内における細胞腫ごとのインフラマソーム発現の検討。方法:SDラット雌を使用し脊髄圧挫損傷モデルを作成した。インフラマソーム構成タンパクのマーカー(NLRP3,ASC, Caspase-2)と各種細胞マーカー(NG2,GFAP,NeuN)を用いて蛍光二重免疫染色を施行し、細胞種ごとのインフラマソーム構成タンパクの発現を比較検討した。結果:OPCにおけるNLRP3, ASC, Caspase-2の発現率は,損傷群が非損傷群と比較し有意に高かった。OPCがインフラマソームを介した細胞死に対しても脆弱性があることが示唆された。
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