研究課題/領域番号 |
25462313
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
上井 浩 日本大学, 医学部, 助教 (50451373)
|
研究分担者 |
徳橋 泰明 日本大学, 医学部, 教授 (80188739)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 腰痛 / 喫煙 / 椎間板変性 |
研究概要 |
椎間板プロテオーム解析の基礎検討 (1)タンパク質抽出 生後16週の雄SDラットを使用した。尾椎を除く腰椎を切離し、椎間板を愛護的に椎体より切離した。タンパク質の抽出には、腰椎椎間板を各5椎間採取し、椎間板約30~50mg/5椎間を尿素抽出液(Urea)、グアニジン塩酸抽出液(GHCl)などを用いて行った。8週喫煙群(S8)とコントロール群(NS12)の比較でS8群に組織重量が減少していた。 (2)SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)による抽出タンパク質パターンの比較 Urea 抽出液でAmicon filter使用前後のものと、GHCl 抽出液でAmicon filter使用前後のサンプルをSDS-PAGEにかけ、抽出タンパク質パターンを比較した。SDS-PAGEの画像から、両抽出法で抽出されるタンパク質パターンに大きな差はないが、50-100kDa 領域には多少のバンドパターンの違いがみられた。またグラフよりAmicon filter処理で100kDa以上の高分子タンパク質が有効に除去されていることが示された。 (3)LC- MS/MS(Liquid chromatography - electrospray ionization-ion trap mass spectrometry)によるプロテオームの比較 サンプル比較はUrea30分抽出とUrea24時間抽出、Urea30分抽出とGHCl 抽出で、いずれもAmicon filter使用後のものを用いて解析を行った。ラット一匹から5椎間板を採取し、椎間板細胞のプロテオーム解析ができることを示した。さらにタンパク質抽出法として、LC- MS/MS解析機器に対し安定した測定結果を出すこと、タンパク質同定数が多いこと、核などの細胞由来タンパク質が多く含まれることからGHCl抽出法が適当と考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成25年度の実験に使用予定していた自動喫煙装置の修理、予定していた動物の入手にも時間がかかり、平成25年度内に遂行予定の実験に遅延が生じ、年度内の研究の完了ができなくなった。
|
今後の研究の推進方策 |
喫煙下および非喫煙下で2群ともラット各10匹使用して8週飼育し、さらにその期間中にプロスタグランジンE1誘導体製剤(商品名オパルモン)300μl/kgを5ccの滅菌水に溶解し、ゾンデにて胃内に経口投与させたものを喫煙投与群(S8群)、そのコントロールとして8週間喫煙を行わず、同様な方法でプロスタグランジンを投与し飼育したものを非喫煙投与群(NS8群)とする。尾椎を除く胸椎、腰椎を摘出し組織学的評価、mRNAの定量解析を行う。また、BCA Protein Assayにて反応後、プレートリーダーを用いて吸光度測定を行って検量線を作成しタンパク質抽出と定量を行う。以上の結果の各群の群間比較を行う。ラットに受動喫煙を行わせプロスタグランジンを投与することにより椎間板変性の進行を抑制させることが可能か検証する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の実験に使用予定していた自動喫煙装置の修理、予定していた動物の入手にも時間がかかり、平成25年度内に遂行予定の実験に遅延が生じ年度内の研究の完了ができなくなった。現在、タンパク質抽出及びプロテオーム解析を行う時点まで進行しているため次年度繰り越し請求としたい。 平成25年の研究を引き続き、DNA断片化の組織化学検出、免疫組織化学の研究および成果を論文にまとめ、学会にて発表を行うために必要である。
|