椎間板変性は加齢性の変化であることはよく知られているが、その詳細なメカニズムや関与する因子については不明な部分も多い。今回、椎間板変性におけるヘパラン硫酸脱硫酸酵素(Sulfs)が果たす役割と、作用機序について検討を行った。結果、Sulf-1の発現は髄核を中心に加齢とともに低下し、Sulf-1ノックアウトマウスの方が野生型マウスに比し、早期に椎間板変性が進行した。また、細胞レベルではSulf-1の添加によりII型コラーゲンの発現が亢進し、それにはSmad2/3シグナルの関与が示唆された。これらの結果は、Sulf-1が今後の椎間板変性予防の新規治療への可能性を秘めていると考えられた。
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