神経組織の損傷度程度を評価する指標として利用可能なバイオマーカーの候補である血中リン酸化ニューロフィラメント(pNF-H)について基礎的な検討を行った。後根神経節培養実験からはpNF-Hは神経の挫滅損傷により多く放出されることが示唆された。またラット・ヒトでの脳脊髄液・血液の同時採取による評価から、脳脊髄液中の濃度は血中よりも5-10倍の濃度を示すものの、その比率は病態によって大きく変動することが示された。このことは外傷以外の慢性疾患で血中pNF-H値を評価する際には脳脊髄液から血中へのpNF-Hの移行を促進する炎症の有無に留意する必要があることを示唆した。
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