思春期特発性側弯症の原因や進行に関わる因子は殆ど解明されていない。側弯症患者の病態評価には主に冠状断での変形が用いられるが、病態の首座はあくまで椎体の回旋であり、CTでの身体軸断面が重要である。我々は側弯症患者のCobb角とCT 軸断面での胸郭内蔵器位置の関係解析し、両者に有意な相関が存在することを明らかにした。また、胸郭前後径と側弯の発症および進行についてマウスを用いた実験を行い、胸郭前後径の発育障害が肋骨基部から椎体にかかる力学的不均衡の原因となり、椎体回旋による側弯発症の一つの要因であることを明らかにした。
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