マクロファージ遊走阻止因子(MIF)遺伝子欠損がアキレス腱損傷および腱・骨孔治癒過程に与える影響を明らかにする研究を行った。野生型マウス(WT群)およびMIF遺伝子欠損マウス(KO群)のアキレス腱損傷モデルと移植腱モデルを作成し、生体力学、組織学および分子生物学的評価を行った。最大破断荷重、線形剛性はKO群がWT群に比べ有意に低値であった。組織学的評価では術後KO群は膠原線維の配向が不規則であり、腱と骨の固着率が低かった。分子生物学的評価では術後3週におけるKO群のMMP-13は有意に低値であった。本研究は、MIF遺伝子欠損が腱損傷と腱・骨孔治癒過程を遅延させることを明らかにした。
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