研究概要 |
平成25年度は、滑膜肉腫細胞株に対する脂溶性ビタミンの細胞分化に対する効果を検討すべく以下の研究を行った。 1. 滑膜肉腫細胞株HS-SY-IIを培養し、培地中に全トランスレチノイン酸(ATRA)、9-cisレチノイン酸(9cRA)、ビタミンK2(VK)を各々1 micro Mの濃度で、4,8,14日間培養した。 2. 所定の培養期間終了後に細胞よりtotal RNAを抽出し、リアルタイムPCR法にて、Runx2, BGP, Sox9, COL2A1, PPARγ, SYT-SSX1についてmRNAの発現を検討した。 3. Runx2とBGP(骨芽細胞への分化の指標)はATRAおよび9cRA投与により発現が促進される傾向にあった。Sox9とCOL2A1(軟骨細胞への分化の指標)およびPPARγ(脂肪細胞への分化の指標)も同様に促進される傾向にあった。SYT-SSX1は一定の傾向を示さなかった。 4. 上記結果はビタミンA活性をもつATRAや9cRAがより顕著であった。
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