研究課題/領域番号 |
25462324
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
渡邊 敏文 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (60634053)
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研究分担者 |
宗田 大 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50190864)
関矢 一郎 東京医科歯科大学, 再生医療研究センター, 教授 (10345291)
大川 淳 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30251507)
早乙女 進一 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (20401391)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 滑膜幹細胞 / 集合体 / 半月板再生 / 霊長類 |
研究概要 |
滑膜間葉系幹細胞は高い軟骨分化能を有する有用な細胞源として期待される。臨床応用に向けて、限られた細胞数で、より効率よく移植、再生するためには、移植効率や細胞の軟骨分化能などをさらに改善する必要がある。我々は、これまで滑膜間葉系幹細胞の浮遊液を集合体にすることにより、半月板再生がさらに促進されることをラットで報告した。今回、サルを用いて、滑膜間葉系幹細胞の集合体の効果を検討した。 カニクイザルの両膝の滑膜を採取し、酵素処理後に有核細胞を培養した。2.5×100,000個の滑膜間葉系幹細胞を35μlの培養液に懸濁し、hanging drop法で、3日間培養し、集合体を形成させた。カニクイザルの両膝の内側半月板前方2分の1を切除した。片膝のみに自己滑膜間葉系幹細胞集合体を7~20(平均14)個移植した。対側の膝は、細胞を移植しないコントロール群とし、8週後に、再生半月板の大きさと、MRIのT1rho mapping像を左右の膝で比較した(n=3)。16週後にも同様に比較した(n=4)。また、移植した細胞追跡のため、DiI陽性細胞の集合体を作製し、内側半月板前方2分の1を切除した部分に移植し、移植1週後、DiI陽性細胞が生着しているかを調べた。 結果、集合体投与1週の時点で半月板欠損部にDiI陽性細胞が生着したことを確認した。 8週後、いずれのサルでも細胞投与群が、コントロール側よりも、内側半月板の面積が大きく、MRI分析では、正常半月板に近かった。16週後、細胞投与群が、コントロール側よりも、有意に、内側半月板の面積が大きく(投与群70.2±3.8㎜², コントロール群53.7±1.68㎜², p 滑膜間葉系幹細胞の集合体投与は、カニクイザルの半月板前方1/2切除モデルで、半月板再生を促進した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
半月板切除後8週、16週モデルの作成し、すべてにおいて、滑膜幹細胞投与側で再生半月板面積が大きいことを示せた。
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今後の研究の推進方策 |
再生半月板の組織学検討を行い、滑膜幹細胞の集合体の有効性を検討する。 また、半月板切除後の関節軟骨に対しても評価を行い、滑膜幹細胞の集合体の関節軟骨に対する有効性を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究成果報告にむけて今年度は繰り越した。 移植した細胞の追跡実験を追加して実施する予定。
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