研究課題/領域番号 |
25462329
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
淺沼 邦洋 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20378285)
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研究分担者 |
山門 亨一郎 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (20263022)
河野 健司 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90215187)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 骨肉腫 / 温度反応性リポソーム / ラジオ波焼灼術 |
研究概要 |
骨肉腫に対するアドリアマイシン封入新規温度反応性リポソーム(ADM-Lipo)とラジオ波焼灼術(RFA)の併用による相乗効果を検討することを目的とした。 悪性骨軟部腫瘍のfirst drugであるアドリアマイシン(ADM)を温度反応性liposomeに封入させ、全身投与後にRFAの熱によりADM-Lipoを破裂させることで、局所へのdrug deliveryを可能にする。また、RFAによる焼灼効果も加わることで、局所病変の強力なコントロールが期待できる。さらに、ADMは局所に高濃度で全身に低濃度であり、全身性の副作用の発現率も抑制することが可能である。適応範囲は、原発巣、転移巣に限らず、早期症例、切除不能例、腫瘍コントロールが不能となった末期症例、さらには高容量を投与できない高齢の症例など、非常に大きな範囲での応用性が可能である。 1年目:ADM-LipoまたはADMの全身投与後のRFAによる抗腫瘍効果の検討 LM-8(マウス骨肉腫細胞株)をC3Hマウスの背部皮下に注入し、また、ヒト骨肉腫細胞143Bをヌードマウスに注入し、皮下腫瘍を形成させた。4週後、1-1.5cm程度の皮下腫瘍を形成させ、ADM-LipoまたはADM投与後8時間でRFAを行い、高腫瘍効果を検討した。 当初の条件「80℃、10分間焼灼」では、腫瘍すべてが完全に焼灼されてしまい、ADMの効果を判定することが不可能となった。条件の再設定のため、60℃10分、40度10分、40度5分、40度1分のように、条件をより低温度、短時間に変更し、検討中である。現在、40度1分にて実験中であり、ADM-Lipo、ADMを投与し、検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウス皮下腫瘍に対するRFA条件の再検討が必要になった。 当初の条件「60-80℃、10分間焼灼」では、腫瘍すべてが完全に焼灼されてしまい、ADMの効果を判定することが不可能となった。理想的な条件として、RFA後に腫瘍細胞が残存し、残存した腫瘍細胞に対してADM-LipoとADMによる効果を判定できる条件であり、新たに条件を設定する必要があった。
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今後の研究の推進方策 |
RFAの当初の条件「60-80℃、10分間焼灼」を大幅に変更し、温度をさらに低温度、また、焼灼時間を短時間にし、現在40度、1-2分であり、ADM-LipoとADMの投与による効果の検討中である。 また、2年目の目標である合併症の評価を行っていく。
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