研究課題
ヒト培養癌細胞を用いたin vitro の実験において、Telomelysin と放射線治療の併用による抗腫瘍効果の増強が明らかとなり、放射線によるTelomelysin の感染効率の増強やTelomelysin によるDNA 損傷修復阻害を介した放射線感受性の増強などの理論的根拠も確認された。それらの結果に基づき、ヒト肉腫細胞とヌードマウスによる皮下腫瘍モデルを用いてin vivo における抗腫瘍効果を検討した。5 週齢雌BALB/c ヌードマウスの背部皮下にSK-ES-1 ヒトEwing肉腫細胞を移植し、腫瘍径が5-7 mm 大になった時点で、麻酔下に腫瘍部位に1Gy の放射線照射を行い、3時間後にTelomelysin を腫瘍内に1×108 PFU/50 μl/body ずつ注入した。放射線照射は第0、7、14日に施行し、OBP-301の投与は第0、3、7、9、11、14、16、18、21日の計9回施行した。対照として、無治療群(PBS を腫瘍内に投与)、放射線照射単独群、Telomelysin 単独投与群を設定した。3 日毎に腫瘍径を測定し、推定腫瘍体積を算出した。Telomelysin 単独群でも無治療群に比べて有意な抗腫瘍活性が認められたが、併用群では腫瘍の部分的な退縮がみられ、他のいずれの群よりも有意に強い抗腫瘍効果が観察された。治療開始後35日目に併用群では肉眼所見でも腫瘍の退縮がみられ、組織学的には著名な腫瘍組織の壊死とKi67陽性細胞の低下を認めた。
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Biomed Res Int
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