研究実績の概要 |
本研究では申請者らが開発したリン酸化プルランを用いて、転移性骨悪性腫瘍治療におけるそれらの材料の有用性を検討した。前年度に検討したin vitroにおいて、抗腫瘍薬の徐放特性を調べ、さらに徐放液の乳癌細胞株への作用を検討し、抗腫瘍効果を得た。今年度は,マウス転移性骨悪性腫瘍モデルを作製し、抗腫瘍薬含有リン酸化プルランでの抗腫瘍効果について検討した。 ルシフェラーゼ発現細胞乳癌細胞株(MDA-MB-231-luc)を用いて、ヌードマウス大腿骨に担癌腫瘍を作成し、(1)無治療群、(2)抗がん剤単独群、(3)抗がん剤+リン酸化プルラン群、(4)リン酸化プルラン群で腫瘍抑制効果を経時的にIVISで評価した。(1)群と比較して(2),(3)群で腫瘍抑制効果を認めた。 本研究において、リン酸化プルランは転移性骨腫瘍において、抗がん剤含有セメントとして有用である可能性が示された。
|