研究課題/領域番号 |
25462342
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
瀬戸口 啓夫 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (40423727)
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研究分担者 |
小宮 節郎 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30178371)
永野 聡 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (50373139)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 骨肉腫 / Hedgehog / 三酸化ヒ素 |
研究概要 |
1.定量的PCRにて、骨肉腫細胞株ではGLI標的遺伝子の発現上昇がATO投与にて低下し、2. WST assay, colony formation assayで、ATOによる増殖抑制効果が示された。3.FACSによる解析にて、ATO投与でsubG1期の増加を認めた。4.Westernblot法にて、ATO投与によりγH2AX, cleaved caspase3, cleaved PARPは増加し, Bcl-2, Bcl-xLは低下し、アポトーシス誘導が示唆された。6.Comet assayにおいてATO投与でsingle cellにおいてのDNA損傷が観察された。cisplatin処理された骨肉腫細胞株にSonic Hedgehog(rSHH)を投与することでγH2AXの発現が低下しており、Hh pathwayの活性化がDNA損傷を減弱することが示された。また、rSHH投与で低下したγH2AX の発現はATOを投与することで発現が亢進し、Hh pathwayが亢進していても、ATOは骨肉腫細胞にDNA損傷を引き起こすことが示唆された。7.骨肉腫細胞株を移植したヌードマウスにATOを投与すると、in vivoでも腫瘍増殖抑制効果を認めた。8.ATO投与で骨肉腫細胞の浸潤・移動能が抑制できることをin vitroで示された。8. 骨肉腫肺転移モデルを作成したのちにATOを腹腔内投与すると肺転移・生存期間が減少することが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画にあったin vitro, in vivoでのATOでの骨肉腫増殖抑制効果は示すことができた。またin vitro, in vivoでのATO投与による骨肉腫細胞の浸潤・転移能低下をin vitro, in vivoで示した。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画書にあったとおり、ATOと他の薬剤の併用による骨肉腫の増殖・転移抑制の研究を行う。 具体的にはアメリカ合衆国で臨床使用されているHedgehog阻害剤であるVismodegibの骨肉腫細胞に対する増殖抑制能・転移抑制能・ATOとの併用効果や既存の抗がん剤との併用効果を検討する。 またATOは再発急性前骨髄球性白血病、難治性急性前骨髄球性白血病治療薬として日本で承認済み。ATOは学内の倫理審査で承認された規定に則って骨肉腫患者に投与する。 骨肉腫治療にATOを用いた臨床治療研究計画は、鹿児島大学医学部歯学部病院で承認されている。他の薬剤との併用については学内の倫理審査の承認を得たうえで、日本で承認されている範囲内の投与量を投与する。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験の進捗状況上、抗体などの消耗品の使用額を次年度に繰り越しました。 繰越金もふくめて、次年度に消耗品に全額使用予定です。
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