研究課題
我々は骨肉腫の増殖におけるHedgehogシグナルの機能解析を行ってきた。ヒト骨肉腫においてHedgehogシグナルが活性化しており、Smoothend・GLI2をターゲットとして阻害したところ、in vitro, in vivoにおいて肉腫の増殖抑制作用を示すことを報告した。本研究ではHedgehogシグナルを薬剤で阻害して検討したところ、GLIを阻害するArsenic trioxideとSMOを阻害するvismodegibは相乗的に骨肉腫細胞の増殖と浸潤・転移をin vitro, in vivoで阻害することを見出した。またArsenic trioxideとvismodegibは骨肉腫の通常の化学療法に使用されているcisplatin, ifosfamide, doxorubicinと相乗的に 骨肉腫細胞の増殖と浸潤・転移をin vitro, in vivoで阻害することを見出した。Arsenic trioxideとvismodegibは日本と欧米ですでに臨床使用されている薬剤であり、これらの結果と合わせるとHedgehogシグナル阻害薬と既存の抗腫瘍薬を併用することは骨肉腫の新規治療法として臨床応用が期待される。また我々はGLI2の下流でribosomal protein S3 (RPS3)が骨肉腫細胞の浸潤能を制御していることを見出した。RPS3は骨肉腫に対する新規治療ターゲットとなりうることを示唆している。
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