人工骨の内部に血管を移植する血管付き人工骨移植の技術を考案した。ラットの大腿動静脈を円柱状βTCPの溝に移植した有茎血管柄付き人工骨モデルを作成し、4週間待機した後に血管茎の末梢側を切離して同部に再移植した。再移植後4週にて移植骨を採取し、骨形成・血管増生を評価した。ヒト骨髄細胞を用いた骨芽細胞シートを血管茎と人工骨の間に設置したモデルでは再移植時に移植骨をラッピングして周囲組織との血行や組織液の交通を遮断しておいても良好な骨形成・血管増生が観察された。この研究の成果により骨芽細胞シートを付加した有茎血管柄付き人工骨モデルは骨再建を要する難治性疾患における有用な手技になるものと考えられた。
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