研究課題
①ヒアルロン酸のヒアルロン酸合成酵素発現への影響 ヒアルロン酸は無刺激、炎症性サイトカイン刺激の両条件下で軟骨細胞のヒアルロン酸合成酵素(HAS1、HAS2、HAS3)のmRNA発現に影響を及ぼさなかった。ヒアルロン酸によるオートクライン作用による合成促進効果はないと判断した。②ラットOAモデルへのヒアルロン酸短期投与 ラットOAモデルに対しヒアルロン酸を長期間(6w)に投与した際に関節軟骨損傷抑制効果があることは前研究(課題番号22591687)にて報告している。そこで短期間(2.5w)に投与期間を短縮し同様の試験を実施した。短期投与においてもほぼ同等の軟骨損傷抑制効果が見られた。このことはOA初期にヒアルロン酸投与を行うと抑制効果が高いことを示し、ヒアルロン酸投与時期が治療効果に大きな影響を及ぼすことを示していると判断している。③軟骨メカノセンサーの解析 炎症性サイトカイン誘導性の軟骨マトリックス分解酵素発現をメカニカルストレスが抑制し、メカノセンサーの介在を前研究(課題番号22591687)にて確認している。siRNAを用いたノックダウン試験を実施し、メカノセンサー分子の特定を実施している。
2: おおむね順調に進展している
研究開始時に設定した項目のうち初年度で2項目(研究実績①ヒアルロン酸のヒアルロン酸合成酵素発現への影響②ラットOAモデルへのヒアルロン酸短期投与)の検討をほぼ終えている。また1項目(③軟骨メカノセンサーの解析)についてはsiRNAを用いたノックダウン試験を実施し複数のTRPVファミリーの中から絞り込み作業を開始しており、順調に特定が進んでいる。
メカノセンサーの解析ではアゴニストを用いて更に特定を進める。未実施であるヒアルロン酸受容体とメカニカルストレスとの関係に関する解析を開始する。またヒアルロン酸によるサイトカイン誘導性アグリカナーゼ発現抑制に関わる因子のRNAレベルでの解析をarray法にて実施する。
計画時よりも試薬、物品が安く購入できたため計画通りに物品、試薬等を購入し研究を遂行する
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Exp Cell Res.
巻: 323 ページ: 263-275
10.1016/j.yexcr.2014.03.002.
http://www.mbb-okayama.com/