研究課題/領域番号 |
25462375
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
吉岡 秀克 大分大学, 医学部, 教授 (00222430)
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研究分担者 |
松尾 哲孝 大分大学, 医学部, 准教授 (10284788)
佐々木 隆子 大分大学, 医学部, 助教 (30133193)
矢野 博之 大分大学, 全学研究推進機構, 教務職員 (50448552)
濱中 良志 大分大学, 医学部, 客員研究員 (60274750)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | コラーゲン / 遺伝子発現調節 / マイクロRNA / 骨芽細胞 / 細胞外マトリックス |
研究実績の概要 |
骨はハイドロキシアパタイト及びマトリックスタンパク質よりなる。マトリックスタンパク質はコラーゲン及び非コラーゲン性のプロテオグリカン等よりなる。その中で骨組織に発現するコラーゲン分子としては、I型コラーゲンをはじめとして、III型、V型コラーゲン分子等が存在し、高分子会合体としてコラーゲン線維を形成している。今まで、私たちは骨組織に特異的に発現する転写因子であるOsterix/Sp7がa2(I)鎖、a1(V)鎖、a3(V)鎖コラーゲン遺伝子のプロモーター領域に結合し、共通に転写活性を増加させているのをみいだした。さらに転写後の調節として、miRによる調節が予想される。今回の実験では、a1(V)鎖コラーゲン遺伝子の最小のプロモーター活性を持つ領域、及び3'UTR領域をベクターにつないで、その活性の変化をみた。 その結果、3'UTRの+822~+1,622領域に活性を低下させる領域が存在した。データベース上で同領域には3箇所のmiR29及び1箇所のmiR181、miR182が結合する領域が予想された。変異を導入したコンストラクトを用いた実験で3箇所のmiR29を導入した場合に、有意に活性が上昇した。また、miR29bを強制発現させると活性は低下し、siRNAの導入では活性は増加した。また、骨芽細胞(MC3T3-E1)をCRISPR/Cas9システムを用いてmiR29bをノックアウトした細胞でも活性が回復した。ただ、miR29による調節は線維芽細胞(NIH3T3)においても同様に認められた。 以上より、a1(V)鎖コラーゲン遺伝子の発現調節にはプロモーター領域ばかりでなく、miRによる発現調節が関与していることが認められた。
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