研究課題
関節リウマチの滑膜線維芽細胞 (RASFs)はMatrix metalloproteinase (MMP)などの基質分解酵素を分泌し、軟骨破壊を引き起こす。MMPファミリーの中でMMP-1、3、9、13分子の発現がRASFsにおいて亢進していた。この発現亢進はクロマチン構造変化と関連している事も示された。MMP-1とMMP-13はtype II コラーゲンを分解し、MMP-3とMMP-9はプロテオグリカンなどのコラーゲン以外の基質を分解する。軟骨の破壊は表面のプロテオグリカンから始まり、深層のコラーゲンへと進む事から、複数のMMPが共同して軟骨破壊に関与していると考えられた。また、TNFαとIL-1βの刺激により転写因子NF-κBとAP-1を介してMMP分子は活性化する事が従来知られていた。今回の研究により、IL-6刺激により転写因子STAT3を介してMMP-1、3、13分子が活性化する事が判明した。MMP-9分子はIL-6刺激に反応しなかったが、その原因としてSTAT3がIL-6のプロモーターに結合しない事が判明した。
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Arthritis Rheumatol
巻: 68(5) ページ: 1111-1123
10.1002/art.39563
http://www.saitama-med.ac.jp/uinfo/riumachi/Dr.Araki.html