非侵襲的な変形性膝関節症(OA)の治療においては、破壊責任分子経路の同定とこれに介入する方法を確立する必要がある.本研究では細胞内にストレスを伝達し軟骨に組織破壊的変化をもたらす分子としてRho/ROCK経路とそれを取り巻く分子経路に着目した。活性酸素によるストレスはRho/ROCK、TAK1の活性化を誘導し、軟骨基質の発現抑制と滑膜炎症変化を誘導した。一方でRac、Nrf2の活性化は軟骨基質の発現、抗ストレス分子の発現を誘導した。これらの分子はいずれもストレス応答経路として重要であり、薬理的介入は新規のOA治療戦略として有望である。
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