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2013 年度 実施状況報告書

ATP感受性カリウムチャネル開口薬とα2受容体作動薬の併用療法による脳保護効果

研究課題

研究課題/領域番号 25462396
研究機関秋田大学

研究代表者

佐藤 浩司  秋田大学, 医学部, 助教 (80333938)

研究分担者 真崎 容子  秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30125744)
西川 俊昭  秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50156048)
中島 麻衣子  秋田大学, 医学部, 助教 (50534096)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード一過性前脳虚血 / ニコランジル / デクスメデトミジン
研究概要

【背景】α2アゴニストとATP感受性カリウムチャネル開口薬は虚血後脳障害を軽減することが報告されている。【目的】ラット一過性前脳虚血モデルにおいて、デクスメデトミジン(Dex)とニコランジル(Nico)併用療法の脳保護効果を検討した。【対象】雄性SDラット32匹【方法】ハロタンで麻酔導入後、気管挿管し調節呼吸とした。尾動脈、左大腿静脈、右頚静脈にカテーテルを留置し、右側頭筋に体温計プローベを刺入した。その後66%亜酸化窒素とフェンタニルの10 μg/kg単回投与及び25 μg/kg/hの持続投与で麻酔を維持した。対照(C)群(生食1 ml/kg)、Dex 100 μg/kg(D)群、Nico 3 mg/kg(N)群、Dex+Nico併用(DN)群の4群(各群8匹)に分けた。側頭筋温は37.5 ℃を維持した。生食または薬剤の腹腔内投与を行い、30分後脱血により平均動脈圧を40 mmHgに維持、右総頚動脈閉塞にて右側前脳虚血状態とした。20分後に頚動脈閉塞解除と返血による脳の再灌流、再灌流30分後、麻酔から覚醒させた。虚血3日後に神経学的検査を行った。脳灌流固定後、脳冠状切片のHE染色を行い、光学顕微鏡的に右海馬、右大脳皮質の虚血脳障害の程度を比較した。【結果】神経学的検査ではC群に比べD群・DN群で有意に障害が少なかったが、D群とDN群の間に有意差はなかった。右大脳皮質の障害は群間に有意差がなかった。右海馬CA1細胞の生存率はC群に比べD群・DN群において有意に多かったが、D群とDN群の間に有意差はなかった。【まとめ】ラット一過性前脳虚血モデルにおいて、デクスメデトミジン100 μg/kgは虚血3日後の神経学的予後の改善、海馬CA1細胞における脳保護効果を認めたが、ニコランジル3 mg/kgには脳保護効果が認められず、併用療法による脳保護の増強効果は認められなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ラット一過性前脳虚血モデルを用いて、ニコランジルとデクスメデトミジンとの併用療法による脳保護効果を神経学的ならびに病理組織学的に検討し、達成できた。

今後の研究の推進方策

ラット一過性前脳虚血モデルにおいて、デクスメデトミジン100μg/kgの虚血30分前投与には脳保護効果がみられたものの、ニコランジル3mg/kgの虚血30分前投与には脳保護効果がみられなかった。
今後、脳保護効果がみられるニコランジルの至適投与量・至適投与時期を検討し、その上でデクスメデトミジンとの併用療法の脳保護効果を検討する。

次年度の研究費の使用計画

ラットの使用数、薬剤の使用量が予測よりも少なかったためと考えられる。
ニコランジルの至適投与量・投与時期についての検討に本年度より多くラットとニコランジルが必要となることが考えられ、ラット・薬剤・検査機器の消耗品の購入にかかる費用とする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ラット一過性前脳虚血モデルにおけるデクスメデトミジンとニコランジル併用療法の脳保護効果

    • 著者名/発表者名
      佐藤浩司
    • 学会等名
      日本蘇生学会第32回大会
    • 発表場所
      株式会社内田洋行 ユビキタス協創広場 CANVAS東京(東京)

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公開日: 2015-05-28  

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