研究課題/領域番号 |
25462397
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
西川 俊昭 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50156048)
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研究分担者 |
木村 哲 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00312702)
合谷木 徹 秋田大学, 医学部, 講師 (30302277)
堀口 剛 秋田大学, 医学部, 准教授 (70221570)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 認知機能障害 / 全身麻酔 / セボフルラン / キセノン / デクスメデトミジン / リチウム / アポトーシス |
研究実績の概要 |
高齢者に起こりやすい全身麻酔後高次脳機能障害の主な病態として、全身麻酔薬自体による神経細胞破壊やアポトーシスの誘導などが考えられている。本研究では、吸入麻酔(セボフルラン)投与による老齢ラット認知機能障害モデルを用い、麻酔薬の神経毒性防止策(キセノン、α2受容体作動薬、リチウムの投与)の有効性を高次脳機能検査と組織学的検査で評価し、吸入麻酔後の認知機能障害の予防法を探るのが目的である。対象は雄性若齢(8-9週,300~400 g) SD ラット30 匹、及び雄性老齢(1-2年、500~800 g)ラット30匹。若齢、老齢ラットを①対照シャム群(n=6)②セボフルラン(Sev)麻酔群(n=6)③キセノン(Xen)・Sev 麻酔群(n=6)④デクスメデトミジン(Dex)・Sev 麻酔群(n=6)⑤リチウム(Lit)・Sev 麻酔群(n=6)に分ける。Sev暴露後、モリス型水迷路試験にて空間認識・記憶機能の評価を行う。Sev暴露7日後に脳を灌流固定した後、脳冠状切片をヘマトキシリン-エオシンで染色し、脳障害の程度を比較する。脳冠状切片を抗Caspase-3 抗体、抗Bcl-2 抗体、および抗Bax 抗体で免疫組織学的に評価する。 以上のような計画であったが、老齢ラットは身体能力の衰えからモリス型水迷路試験を遂行できないことがわかり、平成27年度からは八方向迷路試験に変更した。平成27年度は若年ラット①群②群各6匹、老齢ラット①群②群各6匹に対して八方向迷路試験を実施した。しかし老齢ラットではSev暴露前のトレーニングに8週間と長時間をを要した上に、若齢、老齢ラットともにSev吸入による有意な認知機能の低下は認められなかった。Sevの吸入濃度や時間を変更することで結果が変わることも期待されるが、結局研究期間内には意義のあるデータを収集することができなかった。
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