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薬剤の相互作用に関する研究を進め、主としてマウスを用いた実験から麻酔薬に関する新しい知見を得た。
本邦で開発された非ベンゾジアゼピン系就眠役であるJM-1232(-)とプロポフォールとの相互作用を中心に研究を進め、両者が少なくとも相加的以上（恐らくは相乗的）に相互作用する結果を確認した。また、この様な麻酔薬の相乗的相互作用を利用して、少ない薬剤で必要な麻酔を達成する為の理論を提唱し得た上、それぞれの薬剤投与量を減らす事を通じて、全身麻酔からの回復過程を速やかにし得る可能性を証明した。更に、相互作用する薬剤の一方を拮抗する事で、更に作用時間の短縮が可能となる事実を発見し、今後の臨床応用に繋がる重要な知見と考えている。
最終年度は、従来の就眠をエンドポイントとした研究に加え、脳波測定の予備実験を行い、次の研究に繋がる結果を得た。脳波の測定が可能になれば、麻酔効果のエンドポイントとして評価可能な観察点が大幅に増加する為、今後の研究にも大きく資するものと考えられる。更に、薬剤の血中濃度測定の準備も開始した。これは、次期の研究の課題であるが、研究者が施設を異動した一方で、異動先にほぼ同様の機材の保有を確認出来た為、研究推進が容易になると考えられる。
これらの成果は、国際学会で発表すると共に、一部は短報の形で英文詩に投稿し、掲載された。成果全体をまとめた論文に関しても、初回の投稿を行っており、現在、査読者のコメントに従って修正を進めている。
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