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2015 年度 実績報告書

脳低温による脳保護効果と免疫細胞の時系列的IL-23-IL-17産生との関連

研究課題

研究課題/領域番号 25462403
研究機関山口大学

研究代表者

松井 智浩  山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50314828)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード脳低温療法 / 脳高温 / IL-17 / グランザイムB / ニューロン死 / 低酸素性虚血性脳障害 / IL-23 / T細胞
研究実績の概要

脳低温療法の適応となる新生児脳性麻痺のモデルである低酸素性虚血性脳障害マウスをを低温(33℃)・常温(37℃)・高温(39℃)下に24時間置き(全身性脳低温や脳高温で処置し)、脳障害の程度(梗塞巣)をその組織切片のヘマトキシリン・エオジン染色により評価した。その結果、処置3日後における梗塞巣は、37℃と比較して、33℃下では軽減し、高温下では悪化(増加)した。つまり、脳低温療法はHI脳障害後の脳保護効果を示すことが示唆された。そこで、その一機序を解明するため、脳血管内皮細胞の低温(33℃)・常温(37℃)・高温(39℃)培養を行った。脳血管内皮細胞の接着因子とケモカインは脳内への炎症細胞浸潤に重要な役割を担い、脳障害増悪に関与するので、それらの発現を調べた。その結果、接着因子(ICAM-1、VCAM-1)とケモカイン(MIP-2、IP-10、MCP-1)は、37℃に比べ33℃では低下し、39℃ではケモカイン(MIP-2、IP-10、MCP-1)のみ増加した。よって、脳低温療法は脳血管内皮細胞のこれらの発現を低下させ、脳内への炎症細胞浸潤抑制効果をもたらし、脳保護に繋がると考えられた。一方、脳高温下での脳障害増悪には、ケモカイン発現の増加が関与する可能性を示した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Reduction of the expression and production of adhesion molecules and chemokines by brain endothelial cells in response to tumor necrosis factor-α and interleukin-17 in hypothermia2016

    • 著者名/発表者名
      Matsui T, Yoshida Y
    • 雑誌名

      Clin Exp Neuroimmunol

      巻: - ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1111/cen3.12298

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] マイクログリアおよびT細胞由来ニューロン傷害性因子の温度依存的産生2016

    • 著者名/発表者名
      松井 智浩
    • 雑誌名

      山口医学

      巻: - ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [学会発表] TLR2活性化マイクログリアのNF-κB活性化と炎症性・抗炎症性因子産生の時系列的温度依存性変化2015

    • 著者名/発表者名
      松井 智浩
    • 学会等名
      第121回山口大学医学会学術講演会
    • 発表場所
      霜仁会館(山口県・宇部市)
    • 年月日
      2015-09-13 – 2015-09-13
    • 招待講演
  • [図書] 臨床検査学実習書シリーズ/輸血・移植検査学実習書(第1版)(補訂)「不規則抗体の検索と同定」2016

    • 著者名/発表者名
      松井 智浩、永尾 暢夫、後藤 正徳、内堀 惠美、小野寺 利恵、細井 英司、上野 一郎、米田 幸司、小黒 博之、古杉 光明、高 陽淑、谷上 純子、谷口 菊代、武貞 直子、木寺 英明
    • 総ページ数
      123(33-44)
    • 出版者
      医歯薬出版

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公開日: 2017-01-06  

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