脳損傷後、T細胞は遅発性に脳内に浸潤し、IL-17やグランザイムB(GrB)を放出することで脳障害増悪に関与する。これらの増加は末梢性にも認められるため、末梢-浸潤T細胞のニューロン傷害性因子は脳障害の治療標的になる可能性がある。そこで脳低温療法による脳保護作用機序を解明するため、末梢血T細胞のIL-17とGrB産生に低温・高温が及ぼす影響を調べた。その結果、それらは37℃に比べ33℃では低値、39℃では高値を示した。また、IL-17とGrBは濃度依存的にニューロン死を誘導した。よって、脳低温療法はT細胞のIL-17とGrB産生を低下させ、遅発性にもニューロン死抑制効果をもたらすと考えられた。
|