小児の周術期における脳白質傷害は頻度が高いが、治療法はない。まず、新生児マウスを用いた脳白質傷害モデルを作成した。幼弱脳では、脳虚血によりオリゴデンドロサイト前駆体細胞(oligodendrocyte progenitor cell:OPC)が、虚血部位に移動するが、分化しないことがわかった。そこで、分化促進因子としてアシアロエリスロポイエチン(EPO)を採用した。培養細胞と脳白質傷害モデルにおいて、EPOによりOPCのオリゴデンドロサイトへの分化が促進した。脳虚血による白質傷害の治療法として、自己再生能の活性化によるOPC移動とEPOによる分化促進は、臨床応用の可能性がある。
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