脳内局所の血流は、神経血管カップリング機構を介しニューロンの活動に呼応してリアルタイムに制御されている。ニューロンと脳血管の間に介在する星状神経膠細胞が、この血流制御機構の中心的役割を果たしていることが近年明らかになりつつあるが、高血圧病態時に星状神経膠細胞を介する脳血流調節機構がどのように障害されるか、また麻酔薬がこれら病態時の脳血流調節にどのような影響を及ぼすかについては未だ明らかにされていない。本研究では、自然発症型高血圧および妊娠高血圧モデル動物を用い星状神経膠細胞内カルシウムシグナルに注目し、隣接する脳細動脈の血流調節作用を各種麻酔薬の影響について検討した。
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