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2013 年度 実施状況報告書

ライブセルイメージング法を用いた脊髄血流維持機構の解明と麻酔薬作用に関する新研究

研究課題

研究課題/領域番号 25462413
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

吉村 聖子  和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (40468286)

研究分担者 中畑 克俊  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70332971)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードカリウムチャネル / 脊髄血管
研究概要

脊髄は、末梢組織からの情報を脳へ伝達する経路であると同時に、脳からの情報を末梢に伝達し、生命機能を統合維持するための極めて重要な器官である。脊髄神経細胞を直接栄養している脊髄実質内微小血管はその摘出が困難であるため、これら血管における薬理学的研究はこれまで成功していない。本研究では、人工脊髄脳液で還流した脊髄スライス切片を用い脊髄実質内に走行する血管径10㎛以下の極めて細い細動脈の血管収縮拡張反応を観察する。各種イオンチャネルの選択的作用薬および拮抗薬による薬理学的手法だけでなく神経型一酸化窒素合成酵素ノックアウトマウスなどの遺伝子改変動物を用いることで脊髄血流調節機構およびその機構に及ぼす麻酔薬作用を明らかにすることを目的とした。
ハロタンで麻酔したラットもしくはマウスを開胸し、冷却したクレブス液約50mlを100mmHgの圧をかけながら左心室より潅流し、血管内血液をすべて洗い流したあと頚髄を摘出した。次に、ビブラトームを用いて脊髄の腹側と背側を含むスライス標本 (厚さ約 125 μm)を作成する。この際、脊髄標本は酸素95% + 炭酸ガス5%で通気した4℃冷却クレブス液内を作成した。ついで、この脊髄スライス標本を酸素93% + 炭酸ガス7%(われわれのシステムではこの条件下でpH=7.4となる)で通気し、37℃に加温したクレブス液で満たした観察用チャンバーに入れ、顕微鏡を用いて脊髄内動脈 (径5-10 μm) を観察した。顕微鏡に装着したビデオカメラで動脈の画像を撮影し、メディアコンバータを介してコンピュータに取り込んだ後、動脈径の変化をコンピュータ画面上で血管径測定用のソフトウエアを用いて解析した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

脊髄神経細胞を直接栄養する脊髄実質内微小血管はその摘出自体が困難であるため、これら血管における脊髄血流調節機構の病態時変化について、その生理的機構を含め包括的に解明した研究はこれまでに見当たらない。本研究では、人工脊髄脳液で還流した脊髄スライス切片を用い脊髄実質内に走行する血管径10㎛以下の極めて細い細動脈の血管収縮拡張反応を観察することを確認した。
各種カリウムイオンチャネルの選択的作用薬および拮抗薬による薬理学的手法を用いることで脊髄血流調節機構およびその機構に及ぼす麻酔薬作用を明らかにするため実験を重ねているが、結果の解析をまとめるまでには至っていない。

今後の研究の推進方策

25年度に得られた実験結果の解析を完了させる。引き続き一酸化窒素合成酵素阻害薬(L-NAME;100μM)、可溶性グアニレートシクレース阻害薬(ODQ;1μM)、NMDA受容体拮抗薬(MK-801;10μM)および各種フリーラジカルスカベンジャー(スーパオキシドディスムテース [SOD;150U/ml]、カタラーゼ [1200U/ml]、デフェロキサミン[1mM])処置で抑制されるか否かを検討する予定である。

次年度の研究費の使用計画

共焦点顕微鏡のレーザー照射装置の増設を行う予定であったが、本年度は脊髄血管を倒立顕微鏡にて観察することを可能にすることを最大の目的としたため、この装置の購入に至っていない。
共焦点顕微鏡のレーザー照射装置の増設を行う予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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