研究課題
これまでの結果の信憑性を高めるために、追加実験も施行した。方法Ⅰ)ヒト末梢血液から好中球と血小板を精製し、リポポリサッカライド(LPS)を添加、培養した。免疫染色し共焦点顕微鏡で観察した。結果Ⅰ)NET形成を確認した。方法Ⅱ)方法ⅠのLPSでNET形成を誘導する系に、リコンビナントトロンボモジュリン(rTM)、未分画ヘパリン(UFH)、アンチトロンビン(AT)、ヒルジン、EPCR抗体を添加し、免疫染色し共焦点顕微鏡で観察した。結果Ⅱ)rTMやヒルジンではNET形成を抑制したが、UFUとUFH+AT、EPCR抗体の添加群では抑制できなかった。方法Ⅲ)LPSを腹腔内投与して敗血症を誘導したマウスから採血し、血清中のサイトカイン濃度を測定し、LPS非投与マウス、LPS投与1時間後にrTMを投与したマウスと比較した。結果Ⅲ)LPS誘導性敗血症モデルマウスはコントロール群に比べ、LPS投与36時間後に、血清中のTNFα、IL-6, MCP-1, IL-10の濃度が有意に増加していた。IL-1βに差はなかった。rTM後投与群ではこのサイトカインの上昇が抑えられた。方法Ⅳ)LPS誘導性敗血症モデルマウス、rTM後投与マウスから、肝臓を採取し免疫染色し共焦点顕微鏡で観察した。結果Ⅳ)LPS投与8時間後でLPS群の肝臓にNET形成を認めた。一方、rTM後投与群ではNET形成の減少を認めた。これらの研究成果は、第43回日本集中治療医学会学術集会など国内外の学会やセミナーで発表した。また米国集中治療学会が主催するCritical Care Congressでは、昨年に続きStar Research Presentations Awardsに選出され、2年連続の受賞となった。
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Therapeutic Apheresis and Dialysis
巻: 19 ページ: 308-315
10.1111/1744-9987.12338.