血管内皮細胞上のトロンボモジュリン(TM)はトロンビンを不活化する抗凝固因子で、リコンビナントヒトTM(rTM)は播種性血管凝固症候群の治療である。本研究において次の結果を得ることができた。(1)リポポリサッカライド(LPS)はヒト好中球と血小板の共培養下で好中球細胞外トラップ(NETs)を形成する。(2)LPS誘導型マウス敗血症モデルにおいて、rTMの後投与は致死率と血清中のサイトカインの上昇を抑えた。 (3)さらにマウスの肝臓ではrTMの後投与はLPSで誘導される好中球の浸潤とNETs形成を抑制した。以上のことから、rTMはNETs形成において新たな役割を持つことが判明した。
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