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2015 年度 実績報告書

麻薬受容体の遺伝子多型とシグナル伝達系に関する革新的臨床および基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 25462422
研究機関筑波大学

研究代表者

猪股 伸一  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10282352)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードオピオイド / 麻薬性鎮痛薬 / 遺伝多型 / 鎮痛効果 / 個人差 / 人種
研究実績の概要

μ1受容体遺伝子(OPRM1)における一塩基多型(SNP)は200か所以上報告されている。その代表がA118Gであり、静脈内に投与された麻薬性鎮痛薬の必要量との関連性について報告されてきた。しかし、 欧米の研究では、この多型分類と麻薬性鎮痛薬の必要量に一致した見解が得られていない。我々は、その原因として、欧米では変異型Gアリルが低頻度であり、結果の解析が3群の比較ではなく、低頻度の変異型GGと薬効の個体差が大きいAGを一つにまとめた2群 比較(AA vs AG+GG)を用いていることが一因と考え、研究してきた。欧米の変異型頻度と比較し、茨城県民を対象とした研究において、変異頻度が逆転する特異性を報告した。その結果、日本国内でも地域差が存在する可能性が考えられ、解析を日本全国に広げ、14都道府県の1,300名について分析した。我が国におけるG alleleの割合に地域差はなく全体で45%であり、米国白人の14%、フランス人の16%、アイボリーコーストの8%より高く、野生型と変異型の割合が逆転していた。次に45名の患者をAA群、AG群、GG群の3群にわけ、術後鎮痛に必要なフェンタニルの量を比較した。術後2日目と3日目にAA群とGG群間に術後鎮痛に必要なフェンタニルの量に有意差を認めた。SNP解析用各種プライマーを設計、OPRM1;A118G,IVs2+691 SNP, IVs2+31 SNP,rs 563649: ANKK1;rs1800497: GIRK2(KCNJ6);A1032G: COMT;rs4680: OPRL1;rs6090041,rs6090043: NACP-Rep1(STR): Orexin receptor2(HCRTR2);rs2653349など解析中。
欧米の治験結果は、日本人には当てはまらない危険性がある。
薬剤の効果に個人差が大きい変異型の割合が高い日本人では、副作用発現にも注意が必要となろう。
患者負担の少ない唾液を用いるSNP解析方法を確立した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] The effects of A118G gene mutation on the fentanyl dose needed for postoperative analgesia in the patients undergoing gynecological malignant tumor surgery2016

    • 著者名/発表者名
      Shinichi Inomata
    • 学会等名
      Euroanaesthesia 2016
    • 発表場所
      England (London)
    • 年月日
      2016-05-28 – 2016-05-30
    • 国際学会
  • [学会発表] A118G遺伝子変異と婦人科悪性腫瘍手術の術後鎮痛におけるフェンタニル必要量2016

    • 著者名/発表者名
      猪股伸一
    • 学会等名
      日本麻酔科学会第63回学術集会
    • 発表場所
      福岡国際会議場、他
    • 年月日
      2016-05-26 – 2016-05-27

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公開日: 2017-01-06  

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