開胸開腹食道切除術を受ける患者を対象に、異なる一側肺換気の方法が術後の転帰に与える影響について調べた。胸腔鏡下手術を受けた患者を除き、ランダム化によって13人が従来型一側肺換気群に、18人が保護的一側肺換気群に分けられた。対象患者のうち、入院期間中の死亡はなかった。入院期間、集中治療室滞在日数、術後人工呼吸期間、術後に再挿管を要した頻度、術後急性腎障害の頻度について、群間差は認められなかった。術前から術後1日にかけて測定した腎障害バイオマーカーにも、有意な群間差はなかった。 以上の結果から、開胸開腹食道切除術においては異なる一側肺換気の方法が転帰にもたらす影響は極めて小さいことが示唆された。
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