麻酔中の体温低下は種々の原因で生じ、その結果、覚醒後にシバリングを認めることがある。一方、周術期に麻酔薬等の影響で悪心嘔吐が起こることが多くあり、制吐薬を投与する機会も多い。今回、ウサギにおいて、各種制吐薬(ドロペリドール、トラベルミン注(ジフェンヒドラミン塩酸塩・ジプロフィリン注射液))をウサギに投与しシバリング閾値温度の変化を比較検討した。ドロペリドールはウサギのシバリング閾値温度を低下させ、トラベルミン注は変化させなかった。ドロペリドールは制吐作用と共にシバリング抑制作用も期待できる可能性がある。一方、トラベルミンはシバリング抑制作用は期待できない。
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