本研究はマイクロRNAのプロファイリングをもとに痛みのバイオマーカーを見出すことを目的とし、全脳を用いたバイオマーカーの開発を目指した。疼痛モデルとして術後遷延痛モデルを用い、急性期(術後2日目)、慢性期(術後28日目)の両方で疼痛行動が持続することを確認し、全脳サンプルの採取を行った。術後2日目、と28日目のクラスター解析(Ward’s Method)で5種類のマイクロRNAを用いた分析で、第一分枝で区別することに成功した。術後遷延性疼痛モデルの脳内では、痛みの急性期から慢性期にかけて、何らかの変化がおこっており、わずか5種類のマイクロRNAで説明可能な変化である可能性が考えられた。
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