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2015 年度 実施状況報告書

ケタミンの急性痛、慢性痛に対する異なる鎮痛作用機序の検討

研究課題

研究課題/領域番号 25462440
研究機関福岡大学

研究代表者

山浦 健  福岡大学, 医学部, 教授 (70264041)

研究分担者 大庭 由宇吾  九州大学, 大学病院, 助教 (30567368) [辞退]
塩川 浩輝  九州大学, 大学病院, 助教 (30572490)
辛島 裕士  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80380434)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード慢性痛 / ケタミン / 急性痛
研究実績の概要

ラットの脊髄スライス標本やin vivo標本を用いて脊髄後角からのパッチクランプ記録を行った。まず、オピオイド誘発性痛覚過敏をパッチクランプ記録上で再現しようと試みたが、予想に反し、オピオイド製剤(アルチバ)が脊髄後角においてグリシン受容体を介して鎮痛効果を示すことが明らかとなった。
次に脊髄スライス標本を用いたパッチクランプ記録によりケタミンの作用を解析した。ケタミンを脊髄に投与しても脊髄後角の膜電位や電流は変化しなかったが、シナプス前からのグルタミン酸の放出が増加した。すなわち、ケタミンがNMDAを抑制せず、むしろ疼痛を増強させる可能性があることが示唆された。急性痛モデルにおいてケタミンが脊髄後角細胞に対してシナプス前、シナプス後にも作用しないことを明らかにすることが出来た。
しかし、ケタミンの急性痛と慢性痛に対する異なる鎮痛機序の解明には慢性疼痛モデルにおける作用についての実験が必要である。現在、慢性痛モデルラットの作成段階まで到達しており、このモデルを用いて同様の実験と解析を行なうことで、ケタミンの慢性痛に対する鎮痛作用機序を明らかにすることが出来るものと考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

急性痛モデルにおいてケタミンが脊髄後角細胞に対してシナプス前、シナプス後にも作用しないことを明らかにすることが出来ており、最終段階として、慢性痛モデルラットモデルを用いて同様の実験と解析を行なうことで、ケタミンの慢性痛に対する鎮痛作用機序を明らかにすることが出来るものと考える。

今後の研究の推進方策

ケタミンの急性痛と慢性痛に対する異なる鎮痛機序の解明には慢性疼痛モデルにおける作用についての実験が必要である。
現在、慢性痛モデルラットの作成段階まで到達しており、このモデルを用いて同様の実験と解析を行なうことで、ケタミンの慢性痛に対する鎮痛作用機序を明らかにすることが出来るものと考える。

次年度使用額が生じた理由

急性痛モデルにおいてケタミンが脊髄後角細胞に対してシナプス前、シナプス後にも作用しないことを明らかにできた。
しかし、ケタミンの急性痛と慢性痛に対する異なる鎮痛作用機序の解明には慢性痛モデルにおける作用についての実験が必要である。
現在、慢性痛モデルラットの作成段階まで達しており、このモデルをもちいて同様の実験と解析を行なうことで、ケタミンの慢性痛に対する鎮痛作用機序を明らかにすることが可能と考える。この実験のためには期間の延長が必要である。

次年度使用額の使用計画

実験動物購入費用、薬剤購入費用に充て、実験を行なう。
国内学会および国際学会で学会発表、情報収集、情報交換を行なう。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Effect of Remifentanil and Glycine Contained in Ultiva on Nociceptive Transmission in the Spinal Cord: In Vivo and Slice Patch Clamp Analyses.2016

    • 著者名/発表者名
      Sumie M, Shiokawa H, Yamaura K, Karashima Y, Hoka S, Yoshimura M.
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 11 ページ: e0147339

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0147339.

    • 査読あり / 謝辞記載あり

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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