肝細胞は低酸素に強い細胞であるが、長時間、低酸素や虚血に暴露されると壊死に陥り、肝不全に陥る。肝不全を回避するため、肝組織の低酸素や虚血状態を早期に診断し対処することは極めて重要であるが、肝の酸素化状態を簡便にしかも的確に診断する検査法や測定法は未だない。そこで本研究の目的は、近年開発された近赤外線分光法の一つである時間分解分光システム(time-resolved spectroscopy: TRS)を用いて肝組織の酸素化状態を経皮的に体外より無侵襲的かつ正確に検出できるのかを検討し、ウサギにて肝うっ血状態を作り出し肝の虚血を検出した。
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