研究課題/領域番号 |
25462451
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研究機関 | 独立行政法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
東 俊晴 独立行政法人国立国際医療研究センター, その他部局等, その他 (60284197)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | サブスタンスP / ニューロキニン1受容体 / 血管内皮細胞 / 血管透過性 / 白血球 / 単球 |
研究概要 |
本研究の目的は,培養血管内皮細胞で作成された血管内膜モデルを利用し,サブスタンスP が惹起するアルブミン透過性亢進を定量することで,神経原性浮腫の実験モデルを確立することである.また,血管内腔側に存在する白血球(特に単球)の内膜透過性への影響も併せて観察することも目的としている. 平成25年度は,凍結保存していた初代ブタ血管内皮細胞を培養し,内皮細胞単層膜を作成した.蛍光試薬FITCで標識したアルブミンの内腔側から外腔側への移行を蛍光強度の測定により定量化できることを確認した.続いて,無限寿命化したヒト血管内皮細胞株であるEA.hy926を継代培養し,これらの細胞が内皮細胞膜を形成することを確認した. また,血管内膜モデルの作成と並行してヒト単球系細胞THP-1の培養を行い,ニューロキニン1受容体ならびにサブスタンスPの遺伝子発現をmRNAレベルで確認し,受容体の存在をサブスタンスPに対する細胞内カルシウム濃度の変化により確認した. ニューロキニン1受容体のスプライスバリアントをレポーター蛍光タンパクと共発現させるためのプラスミドを作成し,THP-1への導入と受容体の発現を確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者のエフォートの過半は所属機関における診療行為であるが,平成25年度には所属する診療科の同僚医師に急な退職があった.このことにより,研究代表者のエフォートのバランスが数か月間にわたり大きく診療行為に傾かざるを得なかったため,研究に若干の遅延が発生した.
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り,サブスタンスP が惹起するアルブミン透過性亢進を定量することが可能な培養血管内皮細胞で作成された血管内膜モデルを作成する. 仮に,サブスタンスPによる刺激だけでは,透過性を大きく変化させる実験系が確立できなかった場合,共刺激薬としてLPSを用い,敗血症病態における血管透過性の変化を観察する病態モデルへと課題を修正し,実験を進めていく.
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次年度の研究費の使用計画 |
「11.現在までの達成度」の項で説明したように,平成25年度は,研究代表者の当該研究課題に対するエフォート比が縮小したため,課題採択時に平成25年度に実施する計画だった遺伝子発現レベルの解析が遅延している.そのため,消耗品購入に充てる予定だった金額が平成26年度に繰り越しとなった. 平成25年度に施行予定だった培養血管内皮細胞の遺伝子発現レベル解析実験を,平成26年度に施行予定だった実験計画とともに実施する.
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