ダイノルフィン A (1-17)[Dyn A (1-17)]のN末端領域とC末端領域はそれぞれオピオイド受容体とNMDA受容体に親和性が高い。ペプチダーゼによるDyn A (1-17)のC末端分解産物はNMDA受容体を介する神経毒性を誘導することが報告されている。3種のペプチダーゼ阻害剤(アマスタチン、カプトプリル、ホスホラミドン)はDyn A (1-17)のC末端分解産物量を減少させることによりその毒性を軽減し、鎮痛効果を増強することが示唆された。がん性疼痛時にはオピオイド分解機構に変調変調を来し、Dyn分解が抑制されその結果神経毒性が生じるのではないかと考えられた。
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