健常者,慢性疼痛患者と転移性腰脊椎悪性腫瘍患者において、目的神経根の支配領域である皮膚での、感覚と痛覚の閾値の違いがあるのかどうかを調べる。慢性疼痛患者では、疼痛コントロールのためNSAIDs、抗てんかん薬や抗鬱薬を内服し、転移性腰脊椎悪性腫瘍患者では、疼痛コントロールのためNSAIDs、オピオイド、抗てんかん薬や抗鬱薬を内服しているため、内服薬による感覚や痛覚への影響と閾値の変化をまず初めに調べる。本研究では、A-δ線維やC-線維を特異的に刺激できる特殊な電極を使用して電気誘発させるので、それぞれの薬物がどのように末梢神経の興奮を抑制するかを明らかにできる。現在のところ、神経痛患者の治療で、リドカインとマグネシウムの混合物を静脈投与するが、この薬物療法が、皮膚での感覚と痛覚、つまりA-δ線維やC-線維閾値がどのように変化するかを調べ、この薬物療法が障害部位だけでなく体全体にニューロモデュレーションを起こしていることが明らかになったので、論文が出来上がったので、投稿に向けて準備中である。さらに、転移性腰脊椎悪性腫瘍患者に対するパルス高周波法(PRF)神経ブロックで、良好な疼痛コントロールを得ることができたので、まとめて、論文化して、国際雑誌に掲載された。また、パルス高周波法(PRF)神経ブロックが、どのように目的神経根の支配領域である皮膚での、感覚と痛覚の閾値が変化するかのデータが集まってきている状況である。
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