研究課題
毒茸のドクササコの成分であるアクロメリン酸Aをマウス脊髄腔内に投与して、非侵害性触覚刺激を加えると激しい痛み、アロディニアが惹起される。このマウスに非侵害性触覚刺激を1週間加えることによりアロディニアが持続される。アクロメリン酸Aをマウス脊髄腔内に投与1時間以内のアロディニアと1週間後のアロディニアマウスを用いて、行動薬理学実験を行い、アロディニアの発現には、グルタミン酸受容体 - 一酸化窒素経路が関与しているが、アロディニアの維持には、関与していないことを明らかにした。神経障害性痛の発現機序は、1) NMDA 受容体を介した興奮性の増大、2) 脱抑制、3) ミクログリアの活性化などが提唱されている (Cell 139: 267-284, 2009.)。ミクログリアはアクロメリン酸A投与1時間以内では変化がないが1週間後には著明に活性化された。ミノサイクリンはミクログリア活性を抑制したが、アロディニアを抑制しなかった。上記の内容は、間もなく投稿する予定である。
3: やや遅れている
測定値のばらつきを無くすため、客観的に痛みの閾値の測定が可能である Dynamical weight bearing test (Bioseb社) が必要であったが、急激な円高により当初の予定より大幅に値上がりし、購入できなかったため。
現在、アクロメリン酸誘導体を用いて、1週間後のアロディニアを抑制する化合物を選定している。また、マウスがん性痛モデルを用いて、神経障害性痛との比較やアクロメリン酸誘導体の効果を検討中である。
薬剤を購入するのには足らないため、繰り越し金とした。次年度の薬剤購入費用に加える。
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