研究課題/領域番号 |
25462456
|
研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
南 敏明 大阪医科大学, 医学部, 教授 (00257841)
|
研究分担者 |
森本 賢治 大阪医科大学, 医学部, 助教 (20388250) [辞退]
藤原 俊介 大阪医科大学, 医学部, 助教 (60535813)
中平 淳子 大阪医科大学, 医学部, 助教 (30465603)
駒澤 伸泰 大阪医科大学, 医学部, 助教 (20529226)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 神経障害性疼痛 / がん性疼痛 / アロディニア / グルタミン酸受容体 / アクロメリン酸 / グリア |
研究実績の概要 |
アクロメリン酸Aをマウス脊髄腔内に投与し触覚刺激を加えると激しい痛み様反応、すなわちアロディニアが惹起され長期間持続する。アクロメリン酸A投与直後の早期のアロディニアと投与1週間後の晩期のアロディニアは行動学的には極めて似た反応を示しているにもかかわらず、発現機構が異なることを明らかにした (Omoto et al. Eur. J. Pharmacol. 760: 42-48, 2015.)。 アクロメリン酸誘導体を、連携研究者の岐阜大学大学院医学系研究科再生医科学専攻 古田享史先生に設計・合成していただいた。アクロメリン酸誘導体をマウスの脊髄腔内に投与し、1. 単独ではアロディニアを惹起しない。2. アクロメリン酸惹起のアロディニアを抑制する。3. 単独の高用量でも痙攣や運動麻痺を引き起こさない化合物を選定した。 この化合物を用いて、がん性疼痛モデルに対する効果を検討した。アクロメリン酸A誘導体を脊髄腔内投与したマウスにがん細胞を接種し、がん性疼痛の閾値の時間経過を検討した前処置群では、疼痛閾値が改善された。一方、がん性疼痛の閾値が最も低下したがん細胞接種7日目のマウスに対し、アクロメリン酸A誘導体を脊髄腔内投与した後処置群では効果がなかった。 アクロメリン酸A惹起のアロディニアの発現機構が早期と晩期で異なることを参考にして、アクロメリン酸A誘導体の前処置と後処置での鎮痛効果の相違と作用機序を解明中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大阪医科大学附属病院新中央手術棟の総責任者として、竣工式、内覧会、引越などで、時間を費やし実験がやや遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
アクロメリン酸A惹起のアロディニアの発現機構が早期と晩期で異なることを参考にして、アクロメリン酸A誘導体の前処置と後処置での鎮痛効果の相違と作用機序をグリア細胞にターゲットとして検討中である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
大阪医科大学附属病院新中央手術棟の総責任者として、竣工、内覧会、引越などの雑務のため、実験が滞っていた。延長承認申請を行い、4月から実験を再開し、順調にデータが出ている。
|
次年度使用額の使用計画 |
新規抗体購入に使用する。
|