研究概要 |
生体内の血管内皮・上皮により構成されるさまざまなバリア機能が周術期に動的に変化する酸素 代謝によりいかなる修飾を受けるかを低酸素応答のマスター転写因子低酸素誘導性因子 1(hypoxia-inducible factor 1, HIF-1)の活性化との関連でタイトジャンクションを構成する接着分子に着目して解析し,さらに分子生物学・細胞生物学的に理解してよりよい周術期管理につなげてくことが本課題の目的であった。初年度は培養細胞を用いて細胞間でバリアを構築する研究計画を策定していた。 1 培養細胞を用いた実験系において肺胞上皮における水分輸送,肺胞上皮のタイトジャンクション機能へ酸素分圧が与える影響の評価 -ヒト肺胞基底上皮腺癌細胞由来の樹膣細胞株A549細胞を用いてNamiloride-blockable ENaCは現在少なくとも4つのサブタイプと3種 類のサブユニット(抗体が得られないものはRT-PCRで解析) / Na+-K+-ATPase/ aquaporinとくにAQP5 / タイトジャンクション蛋白質 (ZO-1, occudin, claudin) /転写因子HIF-1、NF-kB活性化の解析/アポトーシス関連遺伝子Caspaseファミリー/HMGB1,RAGEの発現を半 定量的RT-PCR法を用いて検討する実験系を樹立した。さらに肺血管内皮細胞においても同様な実験系を確立した。酸素分圧に依存した発現変化が観察されて少なくともその一部は転写因子HIF-1に依存していることを見いだした。 2.しかし培養細胞によって生体バリアを再構成する 実験系の構築には失敗した。 3. In vivo実験系(再拡張性肺水腫)の確立には至らなかった。
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