免疫細胞に科学的熱刺激を加えることによる低体温時の免疫細胞の機能維持を目的とし,健常成人から採取した血液から好中球を用いて実験を行った。好中球の遊走能は低温になるに従い低下することが確認された。しかし、好中球のTRPV1を作動薬で刺激し,科学的熱刺激を加えても遊走能は改善を見なかった。麻酔薬暴露した好中球の遊走能は,ほぼ変化がないことが確認された。好中球エラスターゼの放出量も遊走能と同様にTRPV1による改善は見られなかった。TRPV1刺激では好中球の機能を改善させる熱刺激とはなりえないことが示唆された。しかし,他の温度感受性TRPチャネルの関与を検討する余地がある。
|