本研究は、外科侵襲による免疫担当細胞プロフィール変化を評価し、表皮ケラチノサイトからの抗菌ペプチド産生に与える影響を解明することを目的とする。動物実験において、外科侵襲は好中球のプロフィール変化を誘導しCCL3、IL-12、CCL2、IL-10産生能は著明に変化した。また、熱傷マウス好中球と正常マウス表皮ケラチノサイトを共培養したとき、ケラチノサイトからのMBD産生は有意に低下した。臨床研究においては、外科侵襲下患者の好中球でCCL3、IL-12の産生が低下し、CCL2、IL-10が誘導されていることを見出した。また、外科侵襲下患者の好中球は、NHEKからのHBDs産生を有意に低下させた。
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