| 研究課題/領域番号 |
25462465
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| 研究機関 | 東北大学 |
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研究代表者 |
伊藤 明宏 東北大学, 大学病院, 講師 (70344661)
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| 研究分担者 |
荒井 陽一 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50193058)
山田 成幸 東北大学, 大学病院, 助教 (60509256)
佐藤 信 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (70282134)
三塚 浩二 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80568171)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| キーワード | 前立腺癌 / 糖鎖抗原 / PSA再発 |
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| 研究概要 |
糖鎖抗原DSGb5に着目し、抗DSGb5抗体5F3を用いて、前立腺癌全摘標本のホルマリン固定パラフィン切片に対する、安定した免疫染色法を確立するに至った。
当院で施行された、130例の前立腺癌患者の前立腺全摘標本からホルマリン固定パラフィン切片を作成して、抗DSGb5抗体5F3による組織免疫染色を行った結果、前立腺正常腺上皮では普遍的に強く染色されたが、PINでは染色されるものとされないものがあり、初期の癌では染色性が低かった。また、前立腺癌においては、予後良好の癌では5F3の染色性が低い一方、予後不良の癌では、5F3の染色性が高いという染色結果が得られた。糖鎖抗原は分化抗原としての性質を有することが以前から知られており、5F3の認識する糖鎖抗原DSGb5も同様の性質を有しているものと考えられた。
このことから、前立腺組織におけるDSGb5の発現は、正常から癌化では一旦消失し、癌の悪性化進展に伴って、発現が亢進するものご判明した。すなわち、DSGb5は、前立腺癌における分化抗原としての発現様式を示すものと考えられた。
一方、前立腺全摘標本における、病理パラメーターとDSGb5発現の関連を検討したところ、脈管侵襲と有意に相関することが認められた。さらに、DSGb5の発現の強い癌では、発現の低い癌と比べて、術後のPSA再発が有意に高かったことから、DSGb5は、予後予測因子として有用であると考えられた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
抗DSGb5抗体5F3を用いたホルマリン固定パラフィン切片に対する、安定した免疫染色法を確立することができ、前立腺全摘標本での病理パラメーターとの関連や、PSA再発予測因子としての可能性が確認できたことから、順調に進展しているものと考えられる。
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| 今後の研究の推進方策 |
さらなる症例数の蓄積により、DSGb5の働きを明らかにしつつ、前立腺針生検に対する5F3を用いた免疫染色により、診断時の予後予測因子となり得るかを検討する。
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| 次年度の研究費の使用計画 |
抗DSGb5抗体5F3を用いたホルマリン固定パラフィンブロック切片に対する、再現性のある免疫染色法を確立するためには、研究経過によって新たに派生した数々の条件を検討しつつ、慎重に進める必要があったので、当初の計画よりは研究の進行が遅くなったために、H25年度の当初予定と違って、残額が生じるに至った。
次年度使用額は、今年度の研究を推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成26年度請求額と合わせて、平成26年度の研究遂行に使用する予定である。
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