研究課題/領域番号 |
25462467
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小池 秀和 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (90420091)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | サバイビン / 腎癌 |
研究概要 |
1.薬剤耐性細胞の作製(腎癌):既存の抗腫瘍剤に耐性を示す腫瘍細胞を作製した。mTOR阻害剤(ラパマイシン)の各濃度での存在下で腎細胞癌caki-1を培養し、実臨床で見られる薬剤耐性腎癌のモデルとした。また、作成した細胞の特性を、増殖能のみならず、浸潤能、転移能も調べた。 2.薬剤耐性化関連因子の検討:薬剤耐性細胞が得られたのちは、cDNAマイクロアレーにて遺伝子発現の包括的な解析により遺伝子の同定を試みた。この検討から、薬剤耐性細胞ではSurvivin遺伝子が高発現していた。 3.ヌードマウス皮下移植モデルを使用した実験:ヌードマウスに腎癌細胞Caki-1および得られたmTOR阻害剤耐:Caki-1細胞を皮下移植する腫瘍モデルを用いたin vivoの検討を行った。SurvivinのsiRNA(Qiagen)をトランスフェクト試薬HiPerfect Transfection Reagent(Qiagen)とともに直接腫瘍内に投与し、腫瘍増殖への影響を確認した。 4.Survivin関連因子の検討:in vivo実験で得られた検体をもとに、これまで同定されていたなったSurvivinのセカンドメッセンジャーの候補を検討した。 5.Survivin抑制による薬剤感受性増感作用、薬剤耐性株への抗腫瘍効果の確認:mTOR阻害剤耐性Caki-1において、Survivin抑制によるmTOR阻害剤剤感受性増感効果を確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究成果を学会で発表できているため。
|
今後の研究の推進方策 |
重粒子線照射による薬剤耐性癌への効果、および抗Survivinとの相乗効果の検討 従来のX線には抵抗性を示す癌へのアプローチとして重粒子線照射の効果を検討する。まず従来のX線の腎癌細胞増殖に対する効果をMTSアッセイで調べる。さらに作成したmTOR阻害剤耐性caki-1を用い、X線抵抗性について検討する。次に、重粒子線(炭素C線)の効果をX線と比較しつつ検討する。また同時に、X線耐性とSurvivin発現についても検討し、C線照射と抗Survivinとを組み合わせる検討もまず細胞レベルで行う。
|
次年度の研究費の使用計画 |
研究計画の一部が未実施のため 未実施実験の物品費として使用する予定
|