研究課題/領域番号 |
25462470
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
榎本 裕 東京大学, 医学部附属病院, 臨床登録医 (20280927)
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研究分担者 |
川合 剛人 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (60343133) [辞退]
垣見 和宏 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80273358)
松下 博和 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80597782)
中川 徹 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40591730)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 腎細胞癌 / 樹状細胞療法 / インターフェロン / 分子標的薬 |
研究実績の概要 |
【研究の概要】腎摘除術を施行された転移性腎細胞癌患者を対象とし、腎摘除時に採取した自己腫瘍組織を免疫源として樹状細胞(DC)ワクチンを作成し、IFNαと併用投与する臨床試験を計画し、実施した。転移性腎細胞癌の標準治療が分子標的薬に移行したことを受けて、平成26年7月からはDCワクチンとの併用薬を限定しない治療プロトコールに変更して試験を実施した。 【研究実績】平成25年度に2例、26年度に1例、27年度に2例を組み入れた。DCワクチンの平均投与回数は10.6回で、全例DCワクチンの投与に伴う重篤な合併症はなく、安全に投与可能であった。本科研費の執行以前から開始していた患者を含めた8例について、sunitinibおよびワクチン投与前後での免疫応答の変化を解析した。DCワクチンとsunitinibの併用投与によって抑制的な免疫細胞が減少し、免疫学的な抗腫瘍効果が増強される可能性が示唆された。この結果は平成26年のSociety of Immunotherapy of Cancerの年次学術集会で発表し、J. Immunother Cancerに論文報告した。 【研究の意義】DCワクチンが安全に投与可能であることを示すとともに、分子標的薬との併用投与によって治療効果が増強される可能性が示唆されるものであった。転移性腎細胞癌の治療はIFNから分子標的薬にシフトしたが、免疫学的機序を利用した治療法の併用が有用である可能性を示す結果は重要なものであると考えられた。
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