研究課題
進行性腎癌に対する分子標的薬の早期効果判定は困難である。しかし、治療中のQOLを向上させ、同時に治療成績を向上させるためには、分子標的薬不応症例を治療開始後のなるべく早い段階で見極めることが重要である。腎癌に対する分子標的薬の早期治療効果の評価にFLT PETが有用かを検討するために本研究を開始した。本研究の目的は、①FLT PETの腫瘍集積と分子標的薬の治療効果発現の間に関連があるか、②FLT PETによる分子標的薬の早期治療効果評価はFDG PETより優れているか、について検討することにある。対象患者は転移病巣を有する進行性腎癌5症例で、CTで転移を有する進行性腎癌と診断されていること、スニチニブによる治療が予定されていること、治療効果判定が可能であることをエントリー条件とした。症例にはスニチニブ投与前、および投与後2-4週間目にFLTおよびFDG PETを施行した。平成25年-26年度においてリンパ節転移症例を含む進行癌症例に対して、分子標的薬であるスニチニブを投与して、その前後で研究プロトコールにしたがってPET画像を撮像した。FLT PET画像により、治療前のリンパ節転移や肺転移症例については病変が概ね1cmを越えるサイズであれば描出が可能であった。また、スニチニブの経口投与開始後2-4週目目に2回目のPET画像を撮像したが、ほとんどの症例の病変において、そのトレーサー集積は低下していた。このことより、FLT PETを用いたSUV解析を行うことで、進行性腎癌に対するスニチニブの早期治療効果を低侵襲的に評価できる可能性が示唆された。
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臨床泌尿器科
巻: 68 ページ: 82-86
http://www.med.u-fukui.ac.jp/home/ufms/file/kenkyu/welcome.html